応募対象の概要
日常生活で防災への意識を高め、普段の暮らしの中で自然と防災を学ぶことができる分譲地。分譲地内の共有地を「共助」につながるコミュニケーションの場とし、家の中の防災対策で「自助」の意識を高める住まいとした。また、それらを継続的に学べるよう住民主動の管理組合を結成し、住教育のしくみの構築を行った。
フェーズフリーな性質の概要およびアピールポイント
フェーズフリーの視点は街全体に生かされている。普段からコミュニケーションが深まる工夫を共有地、各住戸の外構に施し、管理組合のイベントでも交流を深める。日々の暮らしを楽しむと共に、災害時にはその関係性が共助を誘発することを期待している。共有地は、日常時には分譲地の方々が集いくつろぎ、子ども達が遊ぶ公園として利用。非常時には防災拠点として利用できるだけでなく、様々なアイテムが役に立つ。各住戸の建物には、学校からのお手紙などと共に災害マップを貼れるマグネットボートやアウトドアでも活躍するポータブル電源、ライフラインが停止した在宅避難時の住環境を守る工夫などを盛り込み、日常も非常時にも快適を目指した。
カテゴリ
被害のレベル
プロブレムの種類
活用タイミング
汎用性評価
62 /100点
分譲住宅の共有地が、日頃のコミュニケーションの場となり、子どもたちが遊べ、ペット用のリードフックやサイクルスタンドも設置していることから、日常時の「Why」が高く評価されている。停電時には、ソーラー付きの街灯が辺りを照らし、スマートフォンの充電も可能。断水時には井戸水を生活用水に利用できるため、非常時の「Why」が、収納ベンチに保管してあるシートで東屋を作り、災害拠点として使用可能で、共助につながることから、非常時の「When」と「Who」でも評価されている。
有効性評価
64 /100点
共有地は、管理組合のイベントでも使用され、井戸は、掃除や植栽の水やりに活用できるなど、便利で楽しめる普段の機能が「日常時QOL影響能力」の評価を高めている。夜間のソーラーライト点灯は防犯対策として、さらにAEDも設置しており、日頃の住民交流が災害時の共助につながるため、「非常時QOL影響能力」が高く評価されている。各住戸には、手紙や災害マップを貼れるマグネットボートやポータブル電源があり、「機能面デザイン」と「意識向上」の項目でも評価されている。
総評
分譲住宅の共有地を普段から住民が使えるアクセスしやすいコミュニケーションの場として設定。さまざまな機能を付加することで、利用者を増やし、日常時と非常時双方の価値を高めたことが「汎用性」の評価につながっている。ソーラーエネルギーや井戸水など、既存のインフラに頼らない機能的スペースが分譲地内にあることで、住民の交流を生み出し、安心感を高めている。人が集まる場を作り、日頃から機能させることで、災害時の共助につながる点が「有効性」の評価を高めている。
受賞者コメント
暮らしの中で防災を学び、自然に実践できる環境をつくることが、未来にとって重要だと考えた。フェーズフリーの視点は街全体に生かされている。共有地は、日常時には分譲地の方々が集いくつろぎ、子ども達が遊ぶ公園として利用。非常時には防災拠点として利用できるだけでなく、様々なアイテムが役に立つ。建物には、学校からのお手紙などと共に災害マップを貼れるマグネットボードやアウトドアでも活躍するポータブル電源、ライフラインが停止した在宅避難時の住環境を守る工夫などを盛り込み、日常も非常時にも快適を目指した。
受賞者プロフィール
ポラスタウン開発株式会社/株式会社ユニソン/NPO法人日本防災環境