応募対象の概要
0~1歳頃までの赤ちゃんのための、母乳代替食品で調乳が不要で、常温のまま赤ちゃんに与えることができる乳児用液体ミルク。2023年5月23日に、①赤ちゃんの飲む量で選べる2サイズ展開 ②持ち運びしやすいキャップ付き ③直接与えやすいスリムボトル の商品規格にリニューアル。
フェーズフリーな性質の概要およびアピールポイント
2019年3月日本での液体ミルク発売が開始され、当時は主に災害備蓄用として訴求していた。一方で、子どもをもつ親であっても備蓄意識が非常に低く、同時に発売後に購入した方の声からは、日常遣いの利便性を謳う声もあり、防災切り口ではなく「普段から活用しながら、災害時に役立つ機能性を兼ね備えた、まさにフェーズフリー商品」として積極的に提示していきたいと考えている。
カテゴリ
被害のレベル
プロブレムの種類
活用タイミング
汎用性評価
93 /100点
一般的な液体ミルクと比較して、場所や時間を問わず缶から哺乳瓶に注いですぐに授乳できることから、日常時でも非常時でも「Where」「When」の評価が非常に高い。乳児期間に十分な18ヶ月(200mL)の長期保存が可能で、アタッチメントにより誰でも直接授乳できることから、日常時だけでなく非常時の「Why」と「Who」でも評価が高い。月齢に応じた量の2サイズ展開、キャップ付きのスチール缶に変更するなど、リニューアルによってさらに汎用性項目の評価を高めている。
有効性評価
79 /100点
育児負担を軽減し、誰でも簡単に授乳ができることから、「日常時QOL影響力」が高く、停電や断水などの非常時、避難所においても授乳に困らないため、「非常時QOL影響力」がかなり高く評価されている。キャップ付きの丈夫なスチール缶で月齢に応じた2サイズ展開にしたことで、使い勝手や手軽さが向上し「機能面デザイン」の評価を高め、「方法理解」「場面理解」の評価にもつながっている。こうしたメーカーによる工夫の積み重ねが、「開発促進」「意識向上」の触発性、「新規創生」「価値共有」の普及性で評価を高めている。
総評
育児負担の軽減には、家族の協力、地域や社会のサポートが不可欠である。法改正により液体ミルクが発売されたことが転機となり、災害備蓄用としての利用を推進するのではなく、普段から誰でも簡単に授乳できるという日常時の価値を追求している。粉ミルクの調乳に慣れていない人でも準備の時間をかけずに授乳ができ、日常時でも非常時でも多様な人が育児に参加できるようになった。一般的な粉ミルクと比較して、「有効性」、「汎用性」ともに高い評価を得ており、日常時の不便解消が非常時の価値向上につながるフェーズフリーを体現した商品だと言える。
受賞者コメント
「明治ほほえみ らくらくミルク」は、母乳をお手本とした粉ミルク「明治ほほえみ」ブランドと同等の栄養設計で保存料不使用の液体ミルク。調乳が不要で簡単にミルクをあげることができ、「日常」では育児負担の軽減に貢献し、水などが手に入りにくい災害などの「非常時」にも役立つ商品である。発売して以降、多くのご家庭や自治体でご使用いただいてきました。2023年5月には、日常での利用シーンの広がりに伴い、リキャップ式の飲む量や月齢に合わせた2種の容量タイプへリニューアルし、さらに多くの方々にご使用いただいています。
受賞者プロフィール
株式会社 明治