応募対象の概要
収納=備蓄とコミュニティ形成をテーマに、防災を意識をしていなくても災害時に備わっている、意識の壁を超えるフェーズフリーな賃貸住宅です。普及価格帯に抑え、スタンダードな2階建木造賃貸住宅として、広く浸透させていくことを目指しています。
フェーズフリーな性質の概要およびアピールポイント
人や地域をつなぐ基盤をつくる目的で発足した当社グループの防災と暮らし研究室「ぼ・く・ラボ」の取り組みのひとつとして開発された商品です。普段からすっきりとした空間快適に過ごせるよう、収納スペースを多く用意し、無理なく備蓄品を備えられ、災害時は、持ち出しやすくするなど、フェーズフリーの性質を備えています。また、断絶しがちな賃貸住宅おけるコミュニティに対して、外部との接点となる空間を豊かにすることで、普段からの顔見知りになることを促し、災害時に入居者、地域との共助関係を築けるよう工夫を施しています。
カテゴリ
被害のレベル
プロブレムの種類
活用タイミング
汎用性評価
59 /100点
収納スペースを多数用意して収納量を増やしたことが、普段の生活の豊かさにつながり、1階に配置された窓辺ベンチは、挨拶をかわすきっかけにもなる。2階の大型バルコニーは、軒が深く雨天時も利用しやすく独立性が高い。こうした工夫が日常時の「Why」で評価されている。また、外部に地域の人も使える非常時にも役立つアイテムが入ったボックスを設置することで、普段から防災意識を高めるのに役立つことから、非常時の「Why」が高く評価されている。
有効性評価
63 /100点
キッチン近くのパントリー、ライブラリー、ウォークインクローゼットなどの十分な収納は、「日常時QOL影響能力」と「機能面デザイン」の評価を高めている。窓辺ベンチや大型バルコニーなど、外の気配を感じながら、近所付き合いが生まれる工夫で、「非常時QOL影響能力」の評価にもつながっている。また、外部に非常時にも役に立つアイテムの入ったボックスを設置して、普段から防災意識を高められることから、「災害想起」で評価が高く、集合住宅においてフェーズフリーの可能性を示したことで、「開発促進」も評価されている
総評
近隣での共助は非常時に有効であるが、一般的に賃貸住宅におけるコミュニティの形成は容易ではない。そこで、1階では南側に光が注ぐサンルームを配し、窓辺ベンチを設置した。これにより外部との接点となる空間を豊かにし、人々が顔見知りとなれることが「汎用性」を高めている。集合住宅の限られた空間に十分な収納を設えることで、全体を見渡し、補充すべきものや不足しているもの、災害時に持ち出すべきものを普段から確認でき、日常時の機能と非常時の安心の面で、「有効性」を高めている。
受賞者コメント
ぼ・く・ラボ賃貸エールは、当社グループの防災と暮らし研究室「ぼ・く・ラボ」の取り組みのひとつとして開発した商品である。豊富な収納を設け備蓄をサポートし、外部との接点となるバルコニーやサンルームを豊かな空間とすることでコミュニティ形成を促して、日常時のQOLを高めながら被災時にも機能するしくみを盛り込んだフェーズフリーな賃貸住宅とした。また、スタンダードな2階建木造賃貸住宅として、建築コストを普及価格帯に抑え、全国に広く浸透させていくことを目指した。
受賞者プロフィール
大東建託株式会社