応募対象の概要
平時のデマンド交通車両を活用し有事に避難所への安全な送迎を実現。移動サービス提供者に必要な予約受付、運行管理などの業務を支援する機能をクラウドサービス「AIオンデマンド交通」と、災害情報をリアルタイムに収集して被災状況を可視化する「デジタルレジリエンスサービス」と連携させ実現。
フェーズフリーな性質の概要およびアピールポイント
平時には交通空白地の交通弱者に交通の足を届けるため、乗合運行計画生成アルゴリズムの高い技術によりデマンド交通の最適なルート・予約配車を実現。有事には、平時のデマンド交通車両やアプリを活用し、警報が作動したら自動で送迎対象者(要支援者)・目的地(避難所)・車両を有事用に切り替え、リアルタイムの災害情報と連動しな、最適ルートで要支援者を安全に避難所へ送迎。あいおいニッセイ同和損保の避難保険と連動し、有事の際に必要となる費用を保険で担保(送迎運賃・避難先宿泊料)することで、有事の際のオペレーション実行によって自治体に発生するコストを平準化することが可能。安全安心な移動・逃げ遅れゼロ社会を実現する。
カテゴリ
被害のレベル
プロブレムの種類
活用タイミング
汎用性評価
78 /100点
デマンド交通は、さまざまな交通弱者に対して買い物や通院の移動需要に応えられることから、日常時の「Who」「Where」「When」で評価が高い。過疎化や高齢化などによる地域課題の解決につながるという点で「Why」が高く評価されている。また、災害時に要援護者となる人々の避難方法や情報提供の手段となるため、非常時の「Who」「Where」「When」においても評価され、災害弱者を避難所へ安全に送迎できることが、非常時の「Why」で評価を高めている。
有効性評価
71 /100点
普段から便利に使っているオンデマンドの交通サービスが、災害時の安全な避難所送迎にも活用できることから、日常時と非常時の「QOL影響能力」が高く評価されている。クラウドサービスと連携した情報の活用で、アプリを通じて必要に応じた役立つサービスを提供できるため、「機能面デザイン」の評価が高い。さらに、保険サービスとの連携がコスト面での安心感と普及促進にもつながるため、自治体と企業の連携による「開発促進」、地域の利用者間での「価値共有」の点で高い評価となっている。
総評
デマンド交通は、高齢者などの要支援者に対して買い物や通院のための移動をサポートし、日常のQOLを高めるサービスとして「有効性」が高い。このシステムをクラウドサービスでリアルタイムの情報と連携させることにより、日常時の便利な移動手段としてだけでなく、非常時の安全な避難を促す手段として活用することができる。保険サービスや宿泊施設との連携、SNSによるイベント情報や気象情報の活用で「汎用性」が高くなり、より高度なフェーズフリーのサービスへと発展が期待できる。
受賞者コメント
平時には交通空白地の交通弱者に乗合運行計画生成アルゴリズムの高い技術によりデマンド交通の最適なルート・予約配車を実現。有事には、平時のデマンド交通車両やアプリを活用し、警報が作動したら自動で送迎対象者・目的地・車両を有事用に切り替え、リアルタイムの災害情報と連動しな、最適ルートで要支援者を安全に避難所へ送迎。AIオンデマンド交通を自治体へ展開してきた知見と保険の知見を合わせることで、逃げ遅れゼロ社会を実現したいと考えた。
受賞者プロフィール
富士通株式会社 Mobility事業本部/あいおいニッセイ同和損害保険株式会社 デジタルビジネスデザイン部